コンピュータと情報教育のためのHelpfulnotes
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Helpfulnotesのインターネット探検

第6
『じゃがいも徒然草』

    http://haitsudeko.hp.infoseek.co.jp/

 元小学校教員にして元PTA役員。自称“保護者コラムニスト”「はいつでこ」氏が発行するたくさんのメルマガがまとめて読めるサイト。

■真骨頂『教育コラム』3部作

 管理人の「はいつでこ」氏は、元小学校教員。青少年センター補導員など社会教育にも携わり、お子さんの学校ではPTA役員を務めた。現在は自称“保護者コラムニスト”として、教員時代の思い出なども交えつつ、数々のメルマガを発行している。また、童話作家志望で、オリジナルのミニ童話もメルマガで発信している。

 このサイト『じゃがいも徒然草』は、氏が現在発行中あるいは過去に発行したメルマガのバックナンバーを中心に構成されている。

 氏の書くものの一番の特徴は、なんと言っても、ひとつの事象を、「保護者の視点」「元教員の視点」「子ども(我が子に限らず)を思う大人の視点」の3視点からとらえている、という点だ。

 数あるメルマガの中で、まずご紹介したいのが『Daily教育コラム』だ。2005年8月現在、第3部まで配信終了しており、サイトでまとめて読めるようになっている。
 第1部は『Daily教育コラム通信』、第2部は『家庭教育・独立宣言』、第3部は『ごはんのおかず』。

「学校なしでもいいですよ。」と言える家庭と子育てを提案する『家庭教育・独立宣言』(メルマガ3部作の第2部)の目次。「13万人のガリレオ」「あつしくんの選択」「A子ちゃんの決断」など気になるタイトルがズラリ

 この3部作は氏の真骨頂とも言うべきもので、教員時代の経験や子育て中のエピソードはもちろん、不登校のあつしくんの話、学習到達度調査(PISA)とおならの話、ラーメン屋の屋台のおじさんの話、舞の海関のシリコン手術の話まで、テーマはまさに縦横無尽。

 豊富なエピソードを並べ、それに対して先に挙げた3つの視点が盛り込まれ、なおかつ長すぎず、さらに平易な文体で時おりユーモアが光っていて読みやすい。


(それぞれのエピソードがどの号で扱われているかは、通読して探してください。全部読む価値ありますから)。

■歴史嫌いの中学生にオススメ『たのれき』

 そのほか、3部作の流れを汲むエッセイのメルマガ『♪』、オリジナルのミニ童話を発信する『おはなし・ぽとり』、本格読み物『楽しもう歴史教科書』(通称『たのれき』)等がこのサイト『じゃがいも徒然草』で読める。

 『たのれき』は、中学の歴史教科書に書かれていることをミステリー小説のようにひもといてゆく、エンタテインメントの要素が非常に高い読み物だ。物語の中に「はいつでこ」氏本人が登場したり、有名マンガをたとえに使ったりと、クスリと笑わせるユーモラスな小技が効いている。
 内容は、土器の名にまつわるミステリーに始まり、卑弥呼の正体に迫ったり、大化の改新の暗殺劇の真実を探ったり。現在は白川上皇の院政の実態を明らかにするシリーズが続いている。
 誰が読んでも楽しめるが、特に歴史嫌いの中学生にオススメだ。

『楽しもう歴史教科書』(通称『たのれき』)の目次

 残念なことに、どのメルマガも5ヶ月ほど休止状態(2005年8月現在)だが、これは氏のPC環境の不調によるためで、復旧次第、配信は再開するとのこと。サイト内のバックナンバーを読みながら、焦らず待とう。


■常に家庭から発信

 さて、こんなに多くのメルマガを出しつづける「はいつでこ」氏、そもそものきっかけはなんだろう?

「保護者って“子育てのプロフェッショナル”ですよね。じゃあ、もっと教育の場で発言すべきだと思ったんです。そういう手段にメルマガは最適でした。で、『Daily教育コラム通信』を始めたんです」

 読者がつくかどうかは分からなかったとのことだが、「かみさんや子どもたちは読んでくれるから」と気負わずにスタート。
 ところが、『Daily教育コラム通信』は225号の配信に対し反響メール2000通以上、『家庭教育・独立宣言』は通算34号に対して反響120通以上という素晴らしいメルマガになった。
 メルマガの価値は雑誌とは違い発行部数で決まるのではなく、反響メール数で決まるもの。発行したことがある人なら分かるだろうが、個人が発行しているメルマガでこの反響数はただごとではない。

 「はいつ」氏は、不登校が問題視され始めると『家庭教育・独立宣言』を、歴史教科書が外交問題にまでなり始めると『楽しもう歴史教科書(たのれき)』をと、時代の流れに敏感。
 こういう紹介の仕方をすると「堅苦しそう」「難しそう」と思われそうだが、
「どのメルマガも“家庭を発信源に”って思いは共通です」
 という氏の言葉に象徴されるように、内容は柔らかく、なめらかだ。

 次は『たのれき』に引き続き、『たのりか(仮称)』を創刊したいという。
「今、子どもたちの理科離れが言われています。そもそも“理数系”って言葉があるように、理科は数学と縁組されています。僕、ここに問題があるって思います。“理科は数学と結びつくよりも、文学と結びつくべきものだ”って思いをぜひ発信したいです」
 どんな切り口で理科をひもといてくれるのか、今から楽しみだ。

 ――メルマガを発行してみたいと思っている方々に何か一言アドバイスを。
「(メルマガを書くことは)おすすめです。とにかく自分の考えがはっきりしてきます。自分でうろこを落とせるんです。こんないいことは、なかなかないです」

■家庭と学校はフラットな関係で

 教育や子どもに関わるすべての人に、ときに激しく警鐘を打ち鳴らしながらも、「はいつでこ」氏の口調や文体には、包容力と深さがある。
 自称“保護者コラムニスト”だが、決して学校に噛み付いているわけではない。それは氏の文章を一読すれば分かる。
 子どものためを思えばこそ、ときに過激になる保護者が増えている昨今、この柔らかなスタンスはどんな意識から生まれるのだろう?

 氏の言葉をそのまま引用したい。

  「登校」や「下校」って言葉が暗示するように、
  学校は高い所、家庭は低い所っていう意識下の段差が   あると思うんです。
  そういう段差をなくし、フラットな関係で親と教師が向か  い合うこと。
  これが、多くの問題を解決するスタートだと思います。
  ここのところを、文字を大にして訴えたいです。

(文字を大にして――「声を大にして」ではなく!――訴えたい、とのことなので、特別に文字サイズを大きくさせていただいた。はいつ氏持ち前のユーモアを少しでも反映できていれば幸い)。


つづく

 




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