コンピュータと情報教育のためのHelpfulnotes
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Helpfulnotesのインターネット探検

第11
『発信 大中山より』

    http://www3.ncv.ne.jp/~ksyk3962/

 こすもす学級担当・北嶋先生の工夫あれこれ。身近なものが素晴らしい教材に

■自閉症の“彼”との毎日

 自閉症の“彼”とのスクールライフをつづるサイト『発信 大中山より』は、北海道七飯町立大中山小学校の北嶋先生が管理運営している。

 自閉症の“彼”は氏が担当する「こすもす学級」に通う。自立課題・個別課題の勉強や、スクーターボードに乗ったりテレビを見たりする遊びの時間、生活科や体育の要素を盛り込んだ散歩の時間を北嶋氏と過ごす毎日だ。

 “彼”が勉強している課題は、トップページから『こすもす学級』のコーナーへ行き、「学習課題」のページを見ると詳しく紹介されている。

 氏の手作りパズルをこなしたり、計算プリントをしたり、パソコンで文字入力をしたり、絵本を読んだりという課題の数々が紹介されている。

 中心は手作り教材。
 100円ショップで売っているグッズを利用したパズル、新聞の折り込みチラシを切り抜いて作った計算プリント、友達や先生の顔写真カードなど、身近なものを使った教材がいっぱいだ。

 

「学習課題」のページ。工夫とアイデアで身近なものが素晴らしい教材になる



■数々のアイデアで“彼”に変化が

 氏は常にデジタルカメラを持ち歩いていて、日々のようすを記録している。そのため、どのページも写真が多いのが特徴だ。

 もちろん画像はサイトで使うだけではない。家へのおたよりやレポートに貼り付けるほか、保護者がお迎えに来たときにカメラをテレビにつなげ、撮影した画像を見せているという。テレビの画面なら大きな画像を見られるので、保護者にとってもありがたいアイデアだろう。

 

 

「裏技小技」のページ。北嶋氏のアイデアの数々を写真で見られる


 デジタルカメラの使い方の工夫が紹介されているのは「裏技小技」のページだが、このページはアイデアの宝庫。

 聞こえない人にとっての手話と同じ役割を果たす「カード」、混乱させないスケジュール表、給食のゴミ入れ、包丁で左手を切らないための道具、普通学級の子どもたちへのメッセージ等々が写真入りで見られる。

■失敗から学ぶ

 「裏技小技」のページを見ていると、「赤線を引く」「シールに矢印を書き入れる」といったちょっとしたひと工夫で、混乱したり困ったりしがちだった“彼”の姿がガラッと変わるようすがよく分かる。

 しかし、このサイトの特徴は、「こうしたら、これができた」「ああしたら、あれができた」という成功例だけでなく、「こうしたら“彼”は困ってしまった」「ああしたらストレスになってしまった」という失敗例も掲載されている点だ。

 「失敗にこそ学ぶことがたくさんある」というのが北嶋氏の考えで、失敗の公表はサイトユーザーにとっても非常に参考になる。

 

 「失敗コーナー」のページ。「どんな教材を使って」「どんな授業をしたら」「どんな失敗になったか」が具体的に紹介されている



■具体的なエピソードで理解広める

 学校や教室でのことがよく分かるサイトだが、それだけでなく、自閉症の人がどんなことで困るかということについても詳しい。「本人の困り感」というページだ。

 同時にふたつ以上のことを考えたり取り組んだりすることが難しい、言葉は額面通りに受け取る、視覚・聴覚に対する刺激にとても敏感である、といったことが、具体的なエピソードを通じて紹介されている。

 どのエピソードも、自閉症の子どもを持つ保護者からの生の声だそうだ。

 学校での過ごし方や教材の工夫などは、同業者にとって非常に有益な情報であるが、この「困り感」はその他の一般のユーザーにも役に立つ情報満載だ。
 その名の通り、自閉症の子どものことを大中山から広く世間一般に「発信」しているこのサイトがますます充実し、訪問者がどんどん増える(=理解が広まる)ことを期待したい。



つづく

 




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